ド素人が手組みホイールに挑戦 その3
パーツと道具が揃ったところでやっと組み立てです。
今回のホイール構成です。
- フロント ラジアル 24H
- リア イタリアン 32H 両面6本組
興味がないとなんだかよく分からないかもしれません。
フロントはエスケープ標準のホイールと同じ構成なだけですし。リアもなんとなくで決めてます(ちなみに標準リアホイールは28H両面4本組)。かなり適当です。
というのも色々調べましたが適正値がよくわからんです。本数や組み方も色々悩んだのですが、結局やって試してみようという結論になりました。
前の記事で書いたとおり、フロントはパーツの届いた日に組んでしまいました。ラジアル組みですし、特に困ること無く終わりました。初心者が手を出すならフロントからがおすすめです。(実はリアすらも組んでしまって作業中の写真撮り忘れてます、写真は使い回しの完全に手抜きでございます)
お手本動画
組み始める前にとりあえずお手本になる動画を探しましょう。"3 cross wheel lacing"なんかで検索すると色々出てくるんじゃないでしょうか。
今回参考にするのはストリートトライアラーのAli.Cことアリ・クラークソンさんの動画です。最初からノンカットで組んでいるので、道具の使い方や全体の流れをつかみやすいと思います。六角レンチをスルー代わり…。
Building A Wheel in Under 25 Mins + Wheel Q&A
こちらの動画ではNOBLの社長が解説しています。こちらも振れ取り台の片方の爪が無いですね。
6本組イタリアン
ロクロク組、これはホイールの左右両面6本組のことです。組み方を調べ始めるとラジアルだとかタンジェントだとかJISとかイタリアンとか色々出てくると思います。
ラジアルとタンジェントが大まかな分類です。タンジェントの中にイタリアンやJISがあるという感じです。ラジアル組は名前の通りの見た目です。組み方も悩むことはないので初心者向きです。ロード用フロントはほぼラジアルです。
JISや逆イタリアンはディスクブレーキ車やピスト、ママチャリでもないと使うことは無いと思います。今はイタリアンだけ覚えておけば十分です。
それでイタリアンと6本組はどう組むのか。軽く、本当にかるーく説明してみようかと思います。とりあえず頭に入れる程度でいいです。というのも画像と文章だけで理解するのは多分難しいです。どういうものかは私自身大して理解してないので説明しません。
調べ始めると疑問に思うことだらけです。調べ始めるとそのたびに手が止まってしまいます。程々のところで作業に戻りましょう。
まず実際組んでみて実物を目の前にするのが一番理解が進むと思います。私もやり方を見て言われるがままに組みました。完成した後色々考えましょう。最初の一本ですし多少の失敗覚悟でやりましょう。
6本組
それでは6本組から。まずこちらが32H6本組イタリアンの完成図。フリー側から見た図です。
この通り組めば完成ですが分かりづらいと思うので一つずつ見ていきましょう。
スプロケットの付く側をフリー側、逆を反フリー側と呼びます(ドライブ側、反ドライブ側とも)。 基本的にリム穴は左右それぞれのフランジのスポークが交互に通ります。
ハブ穴は内側から通すスポークと外側から通すスポークを交互に通します。
またハブの穴はフリー側と逆側でずれて作られています。
この辺は一応として頭に入れておきましょう。組み方によっては例外もあるかもしれませんが、一般的な手組では気にしないでいいと思います。
6本組は、基準となるスポーク(1本目)とそこから数えて6本目のスポークを交差させるため6本組と言われます。
青スポークは内側から通したスポークで、赤スポークは外側からです。3本目と5本目のスポークとも交差していますが接していません。赤スポーク1本目だけ下を通っているところに注目です。3回交差してるところから3クロスとも言われています。
イタリアン組
イタリアン組はハブ内側から通したスポークの向きにに注目します。裏返しても同じ向きなのがJIS、逆になるのがイタリアンです。イタリアンは進行方向に対して両面とも同じ向きになります。
ここはどう説明しても分かりづらいと思うので、内側から通したスポークの向きにだけ注目してみましょう。
画像はフリー側から、右側が進行方向です。
これを裏返すと逆向きになるのがイタリアンです。進行方向は左なので、進行方向に対しては同じ向きということになります。
対してJIS組はフリー側は同じで、反フリー側がイタリアンと逆になります。裏返しても変わらないということです。(画像反転しただけなので画像は正確ではございません。手抜きですいません。)
私のMTBだとフロントが逆イタリアン、リアがJISです。ディスクブレーキの場合一応これがセオリーらしいです。ただネットで色々見ているとリアは結構バラバラのようです。逆イタリアンもよく見ますし、逆JIS(多分ただのミスだと思いますが)すらありました。
組み方
それでは実際に組み立てです。まずどこからでもいいのでフリー側を外側から穴一つ飛ばしで全て通します。
内側から外側から、このへんの組立順序に決まりはないようです。動画のやり方が一番わかりやすいと思ったので同じように外外内内の順でやっていきます。フリー側はスポークも短いので後に残すと面倒かもしれないです。
リムによるのですが、リム穴は左右に振られていることがあります。今回使うAL22Wも若干ですが穴がズレています。これは素直に穴の寄っている側のフランジのスポークを通せばOKです。詳しく知りたい方は「正リム」で検索してみるといいでしょう。
最初にバルブ穴の場所を確認します。テンション調整でも始点の目印として使うので、バルブ穴はなにかと基準になります。
この時点では爪楊枝を使わないでもニップルを回すことが出来ます。リムの内側からスポークを引っ張り出してニップルを付けていきます。仮止めなのでつまんで2回転ぐらいで十分でしょう。
最初の一本はフリー側から見てバルブ穴の左の穴に通します。そこから3つ間を開けて次のスポークを通します。次も3つ開けて…これを繰り返します。
画像は完成したものを使っているのでおそらく手元のものと形が違うと思います。組んでいる途中ではラジアル状です。後で捻ってこの形にするので、今はそのまま組んで問題ありません。
いまさらですがホイール組には「ハブのロゴがバルブ穴から見えるように組む」という作法があります。リムのロゴとタイヤのロゴを揃えるみたいなものです。万国共通です。
私は気にしないで適当に組みましたが、偶然ぴったりでした。気にする方はこの時点で調整しましょう。
次は反フリー側です。やること自体は同じです。ただし最初に通すスポークが重要です。この一本をどう通すかでJISかイタリアンか決まります。「右落とし」や「左落とし」と説明されることが多いです。今回は少しやり方が違いますが最終的には同じことになります。
反フリー側からハブを見ます。 反対側のハブ穴がずれているのが確認できると思います。
赤スポークが先程組んだフリー側のスポークです。反フリー側のその右の穴に外側からスポークを通します。順番は違いますが「左落とし」と同じ形になります。ここが始点となります。
ここを間違えると後で組み直すことになります。あとは穴1つとばしで全てのスポークをハブに通します。
上画像の赤スポークはフリー側バルブ横のスポークです。上画像白丸のスポークを赤スポークの右隣のリム穴に通します。反フリー側から見た説明です。あとは繰り返しです。次のスポークも同じように、フリー側スポークの右隣に通していきます。
全てのスポークを通し終わったらハブをねじります。動画だと3:50のところです。フリー側から見て画像の向きで風車のようにします。こうなったらほぼ完成です。お疲れ様です。
だんだんスポークの長さに余裕が無くなってくるのでその時点で爪楊枝を使います。
後は内側からスポークを全部通し、6本組にしていくだけです。1本目と6本目を交差させる際に、内側から通した6本目を外側から通した1本目の「下に」通します。
上の方で6本組を説明してる画像のとおりです。これを「編む」、「あやとり」と言うらしいです。手組みホイールの特徴の一つです。
編まなくても組むことは出来ます。では何故編むのか。折れたスポークを暴れさせないため、リアディレイラーのプーリーとの接触を避けるためといった説。性能に関わるものだからというものまで理由は色々なようです。例のごとくよくわかりません。思考停止してそういうものだからということにしておきましょう。
交差したスポークは残ったリム穴に通します。最初に書いたとおりリム穴は左右交互に通すです。フリー側反フリー側組めば完成です。
真っ直ぐなスポークの間にバルブ穴がきていればOKです。見た目以外にも空気を入れる際の使い勝手に関わるのでここはかっちり合わせておきたいです。
バルブ穴下に斜めのスポークが来てる、やり直しです。スポークの向きがJIS組or逆イタだ、やり直しです。意外と完成時点で失敗に気づくものです。めげずにやり直しましょう。この時点だとニップルも締めていないのでやり直しも楽だと思います。
だらだらとした駄文になってしまいましたが、少しでも参考になれば幸いです。
分かりづらいかもしれませんが、形にするだけなら案外簡単なものです。あまりコツというコツもなく、ひたすら教科書どおりにやるだけです。
次は振れ取り作業とテンション調整です。ここからが本番です。やらかしまくります。