Escape R3ペダル交換 Nukeproof Horizon Comp購入 続き
記事を書いていたらHorizon CompがCRCで販売終了してました。公式ラインナップからも無事消えてます。Neutron EVOが補修パーツに互換性あるので、形状以外おそらくほぼ同仕様。価格少し上がっちゃったけど、そちらもありかも。公式ではElectron Evoペダル。
Electron Evo Pedal | Nukeproof
とりあえずCRCから届きましたHorizon Comp。注文から一週間ぐらい。
外観
とりあえずこれでもかというぐらいエグいピンだらけ。ピンの数は片面10本。中央4本は交換不可っぽいですかね。踏面は全く凹凸のないフラットデザイン。
ピンの長さは5mmぐらい。
このピンがソールに食い込むことでがっちり固定されます。踏み外した時は脛やふくらはぎを引っ掻いてきます。フラットペダル最大のデメリットのケガのリスクですね。『Flat pedals injury』で画像検索すると痛々しい画像がたくさん出てくると思います(一応グロ注意です)。割と軽く当たるだけでも怪我しちゃう。
XC・DH・エンデューロといったMTBの競技の大半のライダーがビンディングを使用し、競技ではないトレイルですらビンディングの勢いの増してる昨今です。今回のNukeproofのHorizonはサム・ヒルというDH・エンデューロライダーのモデルですが、彼は数少ないフラペを使うプロライダーの一人です。というか彼以外知りません。
そんなビンディングに若干押され気味のフラペです。ビンディングの利点が多いのももちろんですが、フラペのピンによる怪我を嫌がるライダーが多いのも理由の一つっぽいです。
FR、ストリートのような競技やパフォーマンスではフラペが使用されます。競技の性質上足が外れないと困るからです。
The Winning Runs From Innsbruck | Crankworx Slopestyle 2019
そんなピンのおかげでガッチリ固定されそうなフラペですが、通販サイトmerlincyclesのブログでこんなことが書かれてました。
In fact a cheap pair of flat sole skate shoes and a cheap pair of flat pedals will work better than fancy hiking shoes and expensive flat pedals.
引用元:https://www.merlincycles.com/blog/buyers-guide-to-mtb-flat-pedals/
ちゃんとした靴履かないといかんよと。その通りだと思います。FIVE TENのようなMTB用スニーカーではなくても、出来ればスケートボード用のシューズのようなフラットソールを選びたいところです。足に合う靴というのが大前提ではありますが。
Escapr R3標準ペダルと比較
一応比較してみます。踏面は広く、Escape R3標準ペダルと比べて1.5倍ほどあります。大体縦横10cmぐらいの大きさです。CrankbrothersのStampだとSサイズ相当。
重量は片側161グラム。上位のアルミボディチタンシャフトモデルは180グラム程度なのでそれより軽いです。元々ついていたペダルは166グラムなのでほとんど変わりません。今回は軽量化は考えていないので気にしない。
気になった厚さですが、前側の縁で19mm近く。うーんこれは…割と厚い。見た目でなんとなく予想はしていましたが。大体メジャーなモデルの平均よりちょい上。Stampなどの薄いペダルだと13mmから16mmぐらい(グレードで異なる)。
薄ければいいというわけではありませんが、今回は薄いのを使ってみたかったのもあるので少し残念です。ちなみにEscapeのケージペダルは18mm無いぐらい。厚くなっちゃいました。
より薄いペダルを求める方は、Stampやその他の薄型モデルを選ぶのをおすすめします。
回転性能ですが、やはり良くありません。勢い付けて回しても半回転で止まります。MKSのようなシャーーーと回るのは期待できません。なんなら付いていたペダルより回りません。
内側にはホコリや水の侵入防止にゴムのシールが付いています。ゴムなので屋外保管だとすぐに駄目になりそうな気がします。常識的なMTBの使い方なら問題ないのかもしれません。
かなり柔らかいので少しめくってみました。どうもこの先はシールされてなさそうなので、これが駄目になったら少しやばそうな気がします。
http://nukeproof.com/wp-content/themes/nukeproof/pdf/Pedal-Exploded-Diagram.pdf
もちろんスペアパーツとして売ってはいます。
ペダル交換
とりあえず交換してみましょう。
ペダルには左右の表記があると思います。今回のペダルは左右で形が違い、前側の踏面が広い形状です。物によっては左右で全く同じ形です。
作業前に取り外すペダルのネジ部にオイルをさしておきました。今回もAZのKM-001極圧浸透オイルです。
ペダルと一緒に買ったペダルレンチも用意します。
では取り外しです。やり方はもう散々色々なサイトで書かれていますがドライブ側が正ネジ、これだけ覚えておきましょう。逆側は逆ネジです。
ペダルレンチの位置が中途半端ですが仕方ありません。六角レンチだとこの辺にもう少し融通がききます。あとはレンチで逆時計回り。クランクと供回りしやすいので、上から覆いかぶさる体勢で下向きに力をかけるとやりやすいと思います。自分のやりやすい位置を探してみてください。
よいしょっと回すとコクンとあっさり緩みました。ガチガチに固着しているかと思っていましたが軽く外れました。オイルを差して一晩置いたのと、柄の長いペダルレンチのおかげでトルクがかけやすかったからかもしれません。
反対側も同じように。
無事両方とも外れました。ついでにパーツクリーナーで洗浄しときました。
今度は取り付けです。
安ペダルだとペダルレンチしか使えませんが、最近のスポーツ自転車用ペダルだと大抵シャフトに六角レンチ用の穴が付いています。今回のサイズは8mmでした。ペダルによっては6mmなどまちまちです。
ペダルレンチでも問題ありません、六角のが少しやりやすいかな程度。もし六角を使うなら、トルクのかけやすい多少ごつめのものを使いましょう。
とりあえずネジ部にグリスを付けておきます。AZウレアグリスです。写真は雑に乗せただけですが、後でもう少し全体に塗り拡げています。
あとは取り外しと逆工程で取り付け完了。トルクの向きの関係上取り付けのほうが簡単です。
少し走ってみた感想
とりあえず2週間程度走ってみました。
ピンが食いつくとはいえビンディングのように靴に張り付いてくるわけではありません。整地された道路を走っているうちはそこまで恩恵はないと思います。前のペダルに比べてペダリング効率が上がったとかそういうのは無いです。
以前のペダルではどちらかというとつま先寄り、よくいわれる拇指球がシャフトに来るあたりで回していました。今回のペダルではもう少しシャフトを足の中心に近づけています。靴のサイズは28cm前後ですが、ペダルの前縁に少し指がかかるぐらい。私の場合はこのぐらいのが回しやすく、しっくりきました。特に正解は無さそうなので今でも探り探り調整しています。
踏面の広さのせいで物凄く安定します。ガッタガタの道や段差を走ってもしっかり足に食いついています。このへんはやはりそれ用なのだなと納得。
私は結構ペダルの上で足をグリグリしながら位置を微調整します。食いつきが良くなったおかげでここは少しやりづらくなりました。これは仕方ありません。おそらくソールにダメージが蓄積されていくことでしょう。
そして今回の主目的はペダリング時のゴリ付きを取ることでした。これが残念ながら完全には取れていません。というかちょっと見当違いなところに問題がある気がしてきました。しかし前のペダルが痛んでいたのも間違いなく、回転はだいぶスムーズになりました。
見た目もちょいストリート感ある見た目になりました。ペダルが大きすぎて少し浮いていますが。クランクが貧相に見えます。
思ったより分厚かったり回転が渋かったり、下調べの足りない自分のせいですが、多少残念な部分はありました。ただ乗り味の変化自体を楽しめたので良しとします。自己満足大事。雨ざらし運用でどのぐらい持つのか楽しみです。
とにかく少しでもペダリングを楽にしたいならビンディング、少しでも薄いのが欲しいなら定番のCrankbrothersのStampをおすすめいたします。絶対失敗したくないならMKSを買うのが一番だと思います。入手性と安さが圧倒的。街乗りは何使っても問題ないので好きなもの使いましょう。
乗車時もですが、整備時でもくれぐれもケガにだけは十分気をつけましょう。
Escape R3ペダル交換 Nukeproof Horizon Comp購入
新しく組んだホイールは毎日元気に回っております。感想はもうちょい乗ってから書こうかと思います。
ホイールを変える前に話は遡るのですが、トルクをかけるととゴリ付きというか妙な違和感が出ていました。怪しいのはホイール、クランク(BB)、ペダルの回転系パーツです。
しかしホイールは新品に交換しました。それでも治っていません(フリーにも異常はありましたが)。ですのでホイールは除外です。
残るはBBかペダルですが、例に漏れずほぼノーメンテなのでどちらも駄目になっていそうです。チェーンリングの汚れ具合に自分でもドン引きです。
Escape R3はカートリッジBBなので、分解整備は少し面倒です。もともと駄目になったらクランクごと交換しようぐらいに思っていました。なのでここをいじるのは後回しです。
とりあえず安く簡単に済むペダル交換からやってみようと思います。
ペダル選び
私のEscape R3はフラットペダル運用です。ビンディングは使いません。この時点でロード用のペダルは除外されます。クイルペダル等もありますが、基本ロード用のフラットペダルというものは存在しません。
正直ペダルのメンテナンスはあまりしたくないのです。回転部のメンテナンスはホイールだけで十分です。メンテナンスして長々と使う気はありません。
ベアリングの種類についてですが、三ヶ島ペダルのサイトが参考になります。一覧以外にもニードルベアリングなどもあります。シマノやルックが他のベアリングと組み合わせて使っています。
Escape R3に付いていたペダルはこの中のボールベアリングになります。割と買ってすぐの頃に一度中身を開けたことがありますが、グリスがほとんどなく少しゴリ付いていました。別に気にしませんでしたが。
この中だとシールドベアリングが理想です。ノーメンテ雨ざらしだとなんにしても傷んでいきますが、ボールベアリングよりはマシです。
というわけで価格とベアリングの種類辺りをメインで選んでいきます。
三ヶ島製作所
まず国内外の通販サイトを眺めてみます。フラペだとだいたいMTB用のピンだらけペダルか、シティサイクル用の二択です。
どメジャーな選択肢としてはMKS、三ヶ島ペダル。価格と回転性能求めたら多分こちら一択。トリプルシールドベアリングで実売価格6、7千円は他では見ません。千円で買えるボールベアリングのMT-FTでも割と回ると評判。きちんとメンテナンスするならこれで十分。
ピスト向けなクラシカルなデザインが多めです。SYLVANシリーズが有名。めっちゃピカピカでかっこいい。SYLVAN TOURING NEXTなどトリプルシールドのモデルを選ぶと少し高め。
いわゆる今風のMTBっぽいデザインではALLWAYSがあります。5000円前後で買えるトリプルシールドベアリングモデルです。
ALLWAYSかSYLVANが候補です。ネットに大量にレビューもあり心配ゼロ、安心安全。とりあえずMKSは保留にして、MTB用も探してみます。
MTB用ペダル
MTB用ペダルのメーカーですが、ハブ以外のMTBコンポメーカーはあまり詳しくありません。とりあえずよく聞く名前はCrankbrothers、DMR、HT、そしてNukeproofでしょうか。
Crankbrothersはどちらかというと4面キャッチのビンディングペダル、エッグビーターやマレットで有名かもしれません。フラペではスタンプシリーズもあります。
それぞれのブランドだとDMR Vault、HT PA03A、Nukeproof Horizon pro辺りがよくフラペランキングで名前のあがるもの。
どのモデルもスペック上は正直そこまでの差はありません。本体・シャフトの素材でグレード差が出ます。樹脂鉄素材は安くチタンは高い、大体そんなです。
形状は程度の差はあるものの薄型が多く、あとは踏み面の形やサイズ、ピンの配置を好みで選びます。プラットフォームペダルがほとんどで、Escape標準ペダルのようなケージペダルは現在のMTBでまず使われません(トライアルではまだ見る)。
ベアリングの種類はあまり価格差に出ません。基本どこもシールドとブッシュの組み合わせが多いです。
ブッシュベアリング(滑り軸受)
ブッシュベアリングですがMKSのベアリング一覧にある通り、回転性能はあまりよろしくないです。ロード用ではほぼ使われていません。
滑り軸受の詳細は軸受メーカーのigus(イグス)社のサイトを参考に。『ブッシュ』と呼ばれるパーツで軸を受けるシンプル構造です。リアディレイラーのプーリーやフルサスのリアショックのマウントにも使われています。
動画の50秒あたりで引っこ抜かれている円筒がブッシュです。
Nukeproof Flat Pedal service- Rebuild
利点は構造がシンプル・頑丈・薄く出来ること。ペダルシャフトは内側が極太になりやすく、そこにブッシュがよく使われます。頑丈にしたいけど薄くもしたい、結果ブッシュが選ばれる感じでしょうか。ペダル外側はシャフトが細いのでシールドベアリングが使われたりします。
仕様のベアリング欄を見ると『DU』や『igus』という表記をよく見ます。下の画像はNukeproof Horizon proの仕様ですが、外側に小型のシールドベアリング2つ、内側にDUブッシュベアリング1つです。
DUというのはGGB社の金属ブッシュの商標の様です。 金属に表面加工をして滑り良くしたものです。DUがなんの略かは海外のフォーラムを見てもみんなワカランって結論でした。ただ金属ブッシュ全般がDUブッシュと呼ばれてる気もします。別のDUベアリングもあったりよくわかりません。
次にCrankbrothersのStamp 11 Large。Stampシリーズのトップグレードモデルですが、ベアリングは内側外側共にigusブッシュベアリング。Crankbrothersはシリーズやグレードでベアリングの種類が結構変わります。
『igus』は先程の転がり軸受の解説をしているigus社の商標です。DUが金属なのに対してこちらは樹脂素材のブッシュです。だいぶ前にFOXのリアショックマウントがDUから樹脂に変わりました。
どちらのが良いかはわかりませんが、樹脂はグリス選びに注意したほうがいいかもしれんです。DUもigusも『無潤滑』も売りのひとつなのでグリスを使う必要はないようですが。ペダルメーカーのメンテ動画だと何も気にしないでグリス塗りまくってます。多分それで良いんだと思います。
結局なんでもいい
いらん知識でどんどん耳年増になっていきます。
MTB用はMTBに適した作りになっているので、街乗りクロスに使うには何もかもがオーバースペックです。街乗りでは泥の中ドロップオフを繰り返したりしません。正直なにを選んでも問題なしです。
Escape標準安ペダルにも特別不満は無いです。反射材も付いていて実用的です。特にペダルが滑りやすいと感じることもなく、雨の日でも街乗り程度ではリスクはありませんでした。普段からもがいたりするなら別ですが。ガンガン回すなら素直にビンディングです。
当初の通り価格とベアリングで選びます。
MKSはやはり価格とスペックのバランスが抜群です。が、今回はMTB用を選びます。
薄型ペダルを使ってみたかったのと、CRCで3000円程度とえらく安かったからです。ペダルの素材は価格に直結します。安いのを探すと必然的にナイロン樹脂素材になります。
樹脂素材のペダルはどれも安いのですが、今回はNukeproofのHorizon Compを選んでみました。NukeproofもVitusやPrimeのようなCRCのブランドみたいなものです。私の場合メジャー通販サイトで買いやすいのはそれだけで選ぶ理由になります。
片方はブッシュですが一応シールドベアリング、形状は金属モデルと同じ。樹脂の利点は軽いこと安いこと。デメリットはやわいこと。レビューを見るとピンが抜けやすいと書いてありました。
Horizon Comp Pedals | Nukeproof
ベアリングやシャフトを始めとする補修パーツも売っていますが、3000円のペダルに1000円以上かけてメンテするのもどうかという気がします。
ちなみにMKSのシールドベアリングは基本メンテフリー。キャップ装着時にベアリング調整も兼ねてるので、いじらんでねとのこと。シールドベアリングでも調整幅があるのは最近ちょいちょい聞きますね。ベアリングの単体販売は見当たりません。
そんなわけでペダル届きました。
ペダルレンチなんかも一緒に買っておくといいかも。ゴッチゴチに固まってることが多いので。
今回は選びませんでしが、実はGaussという似たようなフラペがMKSから少し前に出ています。
ただこれだとMKSを選ぶ理由がそれほど無い気がして今回は見送りました。OEMと書いちゃうあたりが凄く三ヶ島。
※記事書いてる間にHorizon Comp販売終了しました(´·ω·`)
パールイズミ イアー ウォーマ購入
「イヤー」じゃなくて「イアー」ウォーマです。イヤーだとグーグル先生にひっかかりませんよ。
これを書いてる12月も終わりに近づき気温もだいぶ下がってきました。暑がり寒がりな自分には辛い時期です。おまけに手は乾燥でパリパリです。
私の通勤はぽっくりぽっくりのまったりペースです。アップダウンも少ないほぼ平地ルートです。ろくに汗もかかず、息切れもしないため多少厚着にしないと寒くて仕方ありません。
今まではネックウォーマーを使っていましたが、イヤーウォーマーを買い足してみました。
さくっと使った感想
今回ちょうどAmazonでセールをしていたため2000円程度で買えました。通販のため一番心配だったのはサイズです(一応試着返品可能商品)。
私の頭は頭囲約59です。残念なことにこれは平均成人男性よりデカ頭なようです。
そんなデカ頭な私ですが、問題なく付けれました。ただしマジックテープの範囲内ギリギリでの調整なので、あまり緩めにする余裕はありません。
本体自体もフリース生地で伸びる素材ですが、マジックテープもそこまで強力ではないので私以上に頭の大きい人は要試着です。
今回はモンベルのメリノウールネックウォーマーと組み合わせて使ってみました。もはや分割式バラクラバのような様相です。
で走ってみた感想ですが、めちゃくちゃ暖かかったです。
耳や後頭部はイヤーウォーマーの上にネックウォーマーを重ねているので、ここが強烈に暖かいです。というかある程度負荷をかけて走る方には暑いと感じるレベルだと思います。外すだけなら簡単なので調節は出来ますが。
耳部分を二重にしていますが、自動車の音など外音は問題なく聞こえます。
私はメガネを掛けていますが、鼻だけネックウォーマーから出しているので曇りの心配もありません。またメガネ用の穴がありますが、使ってないです。付け外しが面倒くさくなりそうですので。
あまり負荷をかけて走る方にはおすすめできない組み合わせですが、イヤーウォーマー単体でも大分暖かいです。というか真冬だと耳がもげそうになるので耳の防具は必須です。
バラクラバ、フェイスマスク、ネックゲーター、イヤーウォーマー等。冬の頭部装備は色々あります。体感温度は人によって違いすぎるので、色々試して自分にあったものを選ぶのが一番です。
ただしどれを使っても鼻を出さない限りメガネは曇ると思います。口呼吸が多いとベチャベチャにもなります。
私のような寒がりさんには今回の組み合わせおすすめです。
※2月26日追記
2ヶ月程度でマジックテープ部が駄目になりました。
赤丸部分が常用域ですが、既にほとんど固定できなくなっています。少し横に引っ張るだけで取れます。元々固定が強いとは思いませんでしたが、ちょっと耐久性低いですね。
というわけで私と同程度かそれ以上の頭でかい族の人にはおすすめできません。
追記ここまで。
GCNの冬装備動画もご参考に。
シマノハブ玉あたり調整
ちょっとした作業の続きです。今回はリアハブの玉当たり調整です。
FH-R7000玉あたり調整
以前の記事で書きましたが、出荷状態のままだと回転が渋いです。 R7000ハブはカップアンドコーンなので玉押しの調整が出来ます。グリスの様子を確認しつつ調整しようと思います。
取り敢えず作業前に動画で流れを確認します。今回はGCNの動画です。
How To Service Shimano Ball Bearing Hubs - Service A Shimano Hub
調整にはハブコーンレンチという薄型のレンチが必要です。 ペダルレンチに似ていますが、ペダルより低いトルクでの使い方を想定されたものです。いつ買ったのか全く覚えていません、いつの間にか工具箱の中にありました。ホーザンのものですね。
Escape R3の標準ホイールではこれとモンキーレンチを使って調整していました。
調整前に一度ハブを開けて中身のベアリングとグリスのチェックをします。R7000ハブはモンキーレンチの代わりに六角レンチ(5mm)を使います。外側のロックリングから緩めるのですが、結構なトルクで締まってました。正ネジです。
ロックリングが外れました。
玉押しも外します。こちらは簡単に外れます。
中の様子はグリスが少ないということもなく、綺麗な新品デュラグリスが見えます。
取り敢えずシャフトも引き抜き、ベアリング玉も取り出します。シャフトをそのまま引っこ抜くとポロポロ落ちてくることがあります。抜ききらずに反フリー側から玉を取り始めるのがおすすめです。またフリー側逆側でベアリングのサイズが違うことがあるのに注意です。今回は同じ大きさでした。数は片側9個。
トレイやネット、ピンセット等も用意しておくと作業が捗ります。全てダイソーで揃えました。取り出したものはディグリーザーで洗浄します。作業にはウェスやワイプオールよりも安いキッチンペーパーがおすすめ。
綺麗になりました。
ハブも綺麗にします。新品なのでピカピカです。ここからある程度使い込むと更にピカピカになります。
フリーの分解は非推奨
少し脱線しますが、現在シマノはフリーの分解清掃を推奨していません。 以前はTL-FH20やTL-FW03という分解工具がありましたが、現在は販売していないようです。基本的にメンテナンスフリーということになります。
一応互換品としてGenier B106018などが出ています。アリエクで売っていました。
分解は推奨されていませんが、フリー自体の取り外しは可能です。シャフトを抜いた後中をのぞくと溝がついているのが見えます。
ここは10mm六角レンチで回すことができ、フリー自体をまるごと外せます。10mmの六角レンチはかなり太く、自転車整備だとおそらくここ以外使うことはないと思います。フリーはメンテナンスをせず、寿命が来たらまるごと交換ということでしょう。
グリス充填
話を戻します。
綺麗にしたハブにグリスを入れます。使ったグリスはAZのウレアグリス、ホームセンターで売っていたものです。量が多すぎて全然減りません。グリスの良し悪しはよくわからないので手に入りやすいものを選びます。
そのままだと使いづらいのでダイソーの化粧用スポイトに移します。ダイソーの化粧品売場は女学生だらけで、おっさんには近寄りがたかったので店員さんに探してもらいました。化粧品売場をうろつく不審なおっさんはきっと自転車乗りです。
ちなみに先端が短いので今回はあまり使い勝手がよろしくありませんでした。そのうちグリスガンも買おうと思います。
グリスを入れました、量は適当です。
気持ち多めにグリスを入れておくと玉を入れた際落ちにくくなります。玉が埋まるぐらいでいいでしょう。
シャフトにグリスを塗り、元の状態に戻していきます。玉押しとロックナットも仮締めをします。このへんの作業は手にグリスが付きやすく、写真が撮りづらいです。
最後に玉押し調整です。やり方はこちらのサイトを参考にさせていただきました。
調整具合は『ゴリ』や『ガタ』といった表現をされます。締めすぎるとゴリつき、緩いとガタつきます。この辺は感覚です。
調整前に一度強めに締めたり緩めたりして、ゴリとガタを手で感じてみるのがいいと思います。基本的にガタはアウトです。玉受けの破損、虫食いのもとです。素人的にはゴリ気味のが安全です。
丁度いいところを見つけながらロックナットと一緒に締めていきます。この辺が少し難しいです。丁度いいところを見つけて固定しようとするとずれたりします。気長にやって適当なところで妥協しましょう。
最後にもう一度ホイールを回してみて問題なければ完成です。
ついでにスプロケット装着
スプロケットはそのまま移植しようと思ったのですが、せっかくですので新品に交換します。
Escape R3のスプロケットは11-32Tのワイド仕様。ロー側が無駄に軽いギア、間隔飛びすぎと真っ先に交換されてしまうパーツの一つです。私は普段フロントミドルの38Tだけで走っていますが、実際32Tはほとんど使っていません。
しかし今回は同じギア比のスプロケを買いました。シマノのALIVIOブランドの8速スプロケットです。 Clarisブランドのもあるようですがこの辺の型番はよくわかりません。取り敢えずAmazonで安いのを買います。
なぜまた32Tなのかですが、ちょっと先々の予定で32Tも使うかも…というのと、チェーン切ったりリアディレイラー調整するの面倒とかそういうのです。おそらく後者が理由です。それでもホイールの交換に伴って多少ディレイラーの調整は必要になると思います。
今回のハブは11速用なので8速スプロケを付けるにはスペーサーが必要です。スペーサーはホイールに付属してきます。今回はハブに付いていました。
1.85mmスペーサーです。注意書きも同梱されていました。「11速ホイールや11速ハブに『10速』スプロケットを付けるときに使ってください」と書いてあります。毎度おなじみ嫌がらせ混乱の元『10速』の表記がありますが、8速も9速にも使えます。『旧10速』にも『新10速』にも使います。
とりあえずハブに付けます。向きは決まっていますが、そもそも反対向きでは入らないようになっています。
そのままスプロケも付けて。
ロックリングを取り敢えず手で締めておきます。ロックリングはスプロケットに付属してきます。ホイールに付属したりスプロケに付属したり、スモールパーツはややこしいですね。
ロックリングを回すには工具が必要です。私はシマノのロックリング回しとモンキーレンチを使います。
ロックリングに差し込んで。
モンキーレンチで締めます。時計回りです。40ニュートンメートルとかトルク指定されてた気がしますが、手ルクレンチで締め付けます。ゴリゴリした感触に不安になると思いますが、ロックリングの内側に滑り止めの溝が付いてるせいで問題ありません。その後「カンッカンッ」となる辺りで止めます。
完成。スプロケが付いただけでめちゃくちゃ重くなった気がします。倍ぐらいに感じる。あとスプロケに多少ガタつきがあるような?互換性に問題は無いはずなのですが、こんなものだったかな。
スプロケの重さはロックリング込みで約300gでした。
ちなみにデュラは一番重くて200gだそうです。11枚なのに。
重い分頑丈ということで。
新ホイールにリムテープ装着
手組とは関係ありませんが、ホイール装着前にちょっとした作業をしました。
リムテープの取り付け
リムテープの取り付けは初めてです。Escape R3のホイールは購入時からリムテープは交換していません。一般的にリムテープの寿命は1年程度らしいのですが、私のは5年ほど使ってます。
Escape R3は野ざらし雨ざらしですが、特にリムテープによる問題は起こりませんでした。タイヤの寿命によるパンクはありましたが。
何も起こらなかったのは運が良かっただけかもしれません。とりあえず今後は定期的に交換しようと思います。
リムテープはリム幅に合わせて買う必要があります。リム幅何ミリには何ミリのリムテープという決まりは無いようです。ニップル穴がちゃんとテープの下に隠れて、かつビード部に被らない幅が適正です。オフセットリムの場合穴の振れが偏るので、余裕を持ったサイズを選ぶ必要がありそうです。
AL22Wのリム内幅は19mmですがリムには凹がありますので、その分を考えて20mm幅のリムテープを買ってみました。ワンサイズ下が18mmなのでそれは少し不安です。メーカーは色々あるのですがとりあえずシマノで。
パッケージを見ると適正リム幅は17-21Cの範囲です。思ったより範囲が広いようですがあくまで参考値です。
リムテープという名前ですが、接着剤などは付いていません。チューブレス用リムテープは密閉しなくてはならないため接着面があります。素材はコットンなどもありますが、これはただのプラバンドの輪っかのようです。
シマノのリムテープは硬かった
バルブ穴とリムテープの穴を合わせて六角レンチやドライバー等で仮固定します。教科書どおりのやり方です。
あとはタイヤと同じようにリムにはめ込んでいきます。バルブ穴から始めて。
はめ込んでいきます。
はまりません。残り三分の一ぐらいから硬い。
どうもこのシマノのリムテープは硬めで有名なようです。少し検索しただけでその話題が出てきます。
ただ絶対にはまらないような硬さではありません。あまり伸びるような素材ではないので、力ずくにやって千切れたりしないか心配になる硬さです。
温めたりする方法もあるようなのですが、基本的に力ずくでいいようです。それさえ分かれば問題ありません。力任せに押し込みます。
無事にはまりました。
バルブ穴の位置もチェック。作業中に位置がずれてしまうことがあるので注意です。
ニップル穴もちゃんとカバーできているので幅も問題なさそうです。もう少し幅のあるリムテープでも大丈夫かもしれんです。
ちなみにこんなものも買ってしまいました。
今のタイヤの寿命次第では割と早いリムテープの交換になるかもしれません。
ド素人が手組みホイールに挑戦 その5
前回の記事でとりあえずホイールは完成しました。今回はそれぞれパーツの重量や、かかったお金など細かいところまとめてみました。
AL22W
まずはリム重量です。フロント用は24Hで431gでした。リムAL22Wの公式重量は445gなので14gと少し離れてます。
リア用は32Hで445gでした。公式重量ピッタリ。穴の分24Hより軽そうなものですが何故か重いです。どうもこのリムは結構重量にばらつきがあるようです。
重量はさておき、全体的にこのリムとても綺麗です。下の動画はアルミリムの製造の様子ですが、ちょん切ったパイプをくっつけて成形しています。
Aluminum Bicycle Wheels | How It's Made
その接合部分も綺麗に処理されており、触ってもほとんど凹凸がわからないぐらいです。
AL22Wは昨今流行りのワイドリムです。内幅19mm、ぱっと見かなりごつい印象を受けます。EscapeR3標準ホイールのリム内幅はそこそこ広く17mmありますが、2mmの差は写真で見るより大きく感じます。
チューブレス対応ということで形状はそれっぽい感じです。ただし「ハンプ」と呼ばれるタイヤのビードを引っ掛ける突起、それが見当たりません。
低圧時に内側にビードが落ちやすくなるそうですし、多少不安が残ります。
少し重いですし、ハンプが無いのが気がかりですが、昨今の流行り要素を取り入れた全体的にそつのないリムといった印象です。安いので手軽にオフセットリムが手に入るのがなによりでしょうか。
FH-R7000
105グレードのリアハブです。穴数は32(これより下の穴設定無し)。 カップアンドコーンのこれといって特徴のない普通のハブです。368gあるので結構ずっしりしています。フロントが激軽だったのでなおさら重く感じます。頑丈そうともいえますが。
ラチェット音もいい意味で普通です。数えたところ一回転のノッチ数はおそらく16。ノッチ数とはフリーのかかりの数のことですが、ロード用のハブは少なめなことが多いです。それでも16は少ないほうだとは思います。今回は用途が用途なので静かな方がむしろありがたいのです。
MTB用のハブは逆にノッチ数が多くなる傾向があり、100を超えることもあります。メリットはかかりがよくなること、デメリットは抵抗が増えること。メリット・デメリットどちらにもなり得るのが爆音になることです。「ジィィィー」というホイール空転時の音、クリスキングやインダストリーナインを始めとする多ノッチ系ハブ独特の音です。
Brandon Semenuk Builds an MTB Playground in Utah | Raw 100, Version 5
RS-21を買ったときもそうなのですが、シマノハブの回転は多少渋めで、ゴリとはいかなくてもちょいコリのようです。必ずしもスルスル回るのが良いわけではありませんが、グリスの追加と玉押しの調整は必要そうです。
A291SB-SL
ノバテックの軽量フロントハブです。封筒で届きましたが、本当にハブが入ってるのかと心配になったぐらい軽いです。重量は58.5g。105フロントハブの155gどころか、デュラエースの120gの約半分です。
こちらはカップアンドコーンではなくシールドベアリングなので、調整不要で回転も超スムーズです。ベアリングも単品販売してるようです。
完成重量
スポークについては割愛しましたが、フロント24本で152g、リア32本で209gでした。
50gと結構な差が出るようです。空気抵抗も考えると少スポーク化の流れも理解できます。
組み上がったホイールの重量はフロント約650g、リアは1029gでした(リムテープ抜き)。前後で1679g、正直特別軽くはありません。というか重い部類です。
ゾンダC17の重量が前後で1596g、それより83g重いことになります。
ただノバテックのリアハブにF482SB-SLというフロントハブと同シリーズのものがあります。こちらの重量が228gなので、仮に今回このハブを使っていたら1539gなのでゾンダより軽くなります。逆に400gを超えるGokisoハブを使えば重くもなります。そんなわけであまり重量は気にしないでいいと思います。それぞれリム重量を気にしたほうが良いでしょう。
もともと今回のホイールはそこまで軽量化は考えていなかったので、特に問題はありません。それでもEscape R3に付いていたリアホイールが約1280g(リムテープ込み)だったので、スポーク本数を考えてもだいぶ軽くなりました。
見た目
取り敢えずビフォー写真です。
汚い。前の日に雨の中走ったせいです。向きが悪く影になってしまいました。
新ホイールに交換しました。
なかなか地味です。でも新品ピカピカなのと自分で組み上げたことで満足度は高めです。28Hから32Hにスポークが増えましたが、意外と見た目に差はありません。
個人的にはクロスバイクには少スポークホイールより、28Hや32Hぐらいのが似合うと思っています。あと太タイヤ。以前RS21を履かせていた時、フロントの16Hのせいか妙に貧相に見えました。ロードだとカッコいいんですが。
フロントは前と同じ24Hラジアルのままなのであまり変わりません。すでに汚れまみれで新品の面影はありません。
ちなみにリム幅が2mm増えたことでタイヤ形状に影響が出るかと思いましたが、特に差はありませんでした。25cのRubino Pro、グラフェン配合前の旧モデルです。
パーツ代総額
そんなこんなで組み上げたホイールですが、いくらかかったのでしょう。
リム2本 | 9300円 |
---|---|
リアハブ | 5700円 |
フロントハブ | 3400円 |
スポーク | 5700円 |
ニップル(100個) | 1200円 |
合計 | 25300円 |
合わせて約25300円でした。数が多めだったせいか、こう見るとスポークが意外と高いです。同価格帯の完組ホイールだとWH-RS300でしょうか。前後重量1800gなので今回のホイール1679gのが軽いです。ただしあくまで重量だけの話です。RS300はストレートスポークもオフセットリムも使われています。同じことを手組でしようとすると高くなります。
ツールの価格も見てみましょう。
振れ取り台 | 14000円 |
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センターゲージ | 3500円 |
テンションメーター | 3900円 |
スポークレンチ | 1000円 |
合計 | 22400円 |
全部で約22400円。比較的安く買い揃えましたがそれでもホイールと近い金額になりました。
ツールとホイール合わせて約47700円、ここにリムテープや持っていなければ工具なども加わります。
もちろんパーツのグレードを落としたり、スポーク本数を減らすことでもっと安くすることはできます。ただし道具は振れ取り台がもう少し落とせるかなというぐらいで、この辺が下限だと思います。
意外とお金がかかってしまいました。海外通販でゾンダが4万しない程度で買えるのを考えると、コスパでやることではないかなと思います。自己満足です。
あとは実際しばらく走ってみて、また感想とまとめも書いてみようかと思います。
ちなみにフロントホイールは先に取り付けて走っていましたが、1ヶ月ほど走っても変える前と違いがわかりませんでした。ノーメンテで虫食いで半分腐ってるようなハブな上、重量級リムだったのですが。私の中でフロントホイール何でもいい説が生まれそうです。
ド素人が手組みホイールに挑戦 その4
今回は振れ取りとテンション調整です。前回の組立作業まではそこそこ順調でした。腕の差が出るのはこの辺からです。
振れ取り台のセンター出し
今回使う振れ取り台PWTのWTS12はコピー元であるParktoolのTS2.2と同じく、振れ取りをしながら自動でセンターを出してくれる機能があります。そのためまず振れ取り作業前に振れ取り台のセンター調整をする必要があります。
そこでセンター調整に振れ取り台用の校正ゲージを使います。それが道具紹介の時に少し触れたものです。
しかしこのセンタリング機能 、いくら調節しても左右入れ替えるとずれたりいまいち安定しません。調整方法はParktoolのものを参考にしました。
https://www.hozan.co.jp/parktool/support/pdf/TS-2.pdf
Parktoolの解説動画を見るとアームで挟み込む構造上ある程度は仕方なく、 正確にセンターを出すにはセンターゲージ使いましょうとのこと。
How To Use & Center the TS-4 Professional Wheel Truing Stand
そんなわけで校正ゲージは無駄な買い物になってしまいました。正直鉄板を打ち抜いただけのもので、品質もいまいちだったのでこれは失敗だったかなと思っています。Parktoolのは振れ取り台に固定する部分もハブのシャフトに似せた作りになっていて良さそうです。値段も上がりますが。
センターが出ているホイールを持っているならそれで事足ります。
ただしその後ほぼ初期状態のまま使用していますが、特に問題なく振れ取りは出来ました。センターゲージがあればセンター出しも問題ありません。
土台は鉄板なので、床などの傷防止にノートを敷いています。
ただこの振れ取り台、部屋に置くと意外と邪魔です。重い上に形状的に収納も難しく、高さもあるので結構場所を必要とします。作業中は机の上に移動させますが、普段はとりあえずPCの上に置いてあります。専用の作業スペースが欲しいところです。
振れ取り作業
振れの取り方や仕組みに付いては様々なサイトで細かく説明されているので、割愛させていただきます。
こちらのCBNフォーラムのトピックや、(追記:残念ながら記事作成後の10/3でフォーラムはサービス終了したようです)ミノウラの振れ取り台説明書を参考にされるといいと思います。基本的に締めた方にリムが寄っていくのですが、全体を見て整えていくのがコツでしょうか。
振れ取り前に全体のテンションをすこし上げておきます。スポークのネジを見えなくなるまで締めるのがよくある目安のようです。全体を少しずつしめていきます。
時間さえかければ振れ自体は収まると思います。注意したいのがテンションがバラバラでも振れが取れてしまうことです。ニップルがゆるゆるだったりきつきつだったりします。
そこで全体のテンションを整えます。10kgf差ぐらいに抑えたいところです。テンションをいじっているとまた振れが出ると思います。ですので振れ取り、テンション調整を繰り返します。
どのへんまで追い込むかは人によるのですが、横振れ縦振れ共に1mm以下なら十分ではないでしょうか。慣らしの後に再度調整は必要です。
やはり凄かった左右のテンション差
とりあえずヘッポコな腕なりに一通り振れは取れました。次はセンターを出しつつ、目標テンション値まで上げていきます。
まずテンションの目標値を決めなくてはなりません。とりあえず上限いっぱいにしようと思っていたのですが今回のリムAL22W、製品サイトに上限値が書いてありませぬ…。仕方ないので一般的に120kgfがリムの上限なことが多いらしいのでそれを目指そうと思いました。
ところがです。
反フリー側のテンションを下げても下げても全然センターが出ない。リムがフリー側に全く寄っていきません。
正確な数字を記録し忘れてしまったのですが、なんとかセンターを出せたとき、フリー側が120kgf程度で反フリー側は50切っていました。反フリー側は2分の1ぐらいと聞いていましたがそれよりだいぶ下です。
これが手組でよく聞く左右のスポークテンション差というやつです。最初聞いたときはよく分からなかったのですが、実際やってみるとなるほどと思いました。
さてどうしたものかととりあえず反フリー側を70kgfまで上げましたが、その時のフリー側は145kgfぐらいでした。(写真の角度が悪く目盛り54に見えますが53です。)これは流石によろしくない。テンションを上げすぎるとスポークやニップルの寿命は縮みますし、最悪リムの破損の繋がります。
この左右差をどうにかしようと皆様苦労されてるわけです。緩和方法として左右で組み方を変える、左右でスポークの素材を変える、オフセット(アシンメトリ)リムを使うなどがあります。
私のように11速を使う気がないなら、シンプルに8速や9速ハブ(FH-RS300等)を使う手があります。1mm程度ではありますがフリー側のフランジ幅に余裕が出来ます。ハブの質は多少下がるかもしれませんが一番簡単な方法だと思います。実際これにすれば良かったと反省中です。
とりあえず今あるものでなんとかしたいので、フリー側テンションを落としつつなんとか釣り合いを取らなければなりません。
ここでいくつか疑問やら問題が出てきました。
スポークテンションの下限値
スポークの上限値はリムごとに決まってるのでわかります。下限値のほうがいまいちわかりません。どこまで上げれば十分と言えるのでしょう。一応テンションメーターの説明書に適正テンションの範囲は書かれています。1.8mmスポークの場合は大体40~165kgfの間が適正値、だいぶ広い範囲です。
そもそもテンションが低いとどうなるのでしょう。調べるとニップルが緩みやすくなる、トルクを掛けたときのホイールの反応がにぶい、もがいた時など横に大きい負荷がかかるとリムがブレーキシューに接触するといった模様。
やはり低すぎるのもよろしくはないようです。スポーク本数や体重、好みでも適切な数字は変わってきそうです。やはりここも実際やってみるしか無いパターンです。(出来ることなら左右のテンション差の少ないシングルスピードで試したいところですが。)
PWTテンションメーターの目盛り
とりあえず145kgfまで上げたと書きました。バネ式のテンションメーターはテンションが高くなるほど、一目盛りのテンション値の変動が大きくなります。上の換算表だと目盛り41で40kgf、42で45kgf。その差は5kgf。それが目盛り52の130kgfと53の145kgfだと、差が15kgfまで大きくなります。
これ自体に大した問題はありません。ParktoolのTM-1も似たような数字です。ただこのPWTのは1目盛りがえらく狭いです。気になって測ってみたら1mmも無い。
この1mm未満の狭い間隔に15kgfが詰まってるわけです。測り方で目盛りも多少ずれるので、高いテンションだとあまり実用には適さないかもしれません。出来るだけ145kgfまで上げない使い方をしましょう。もしくはTM-1を買いましょう。そこまで高いものではありません。
数字の正確さに関しては他のテンションメーターを持っていないので確かめようがありません。確実な精度が必要ならDTSWISSかホーザンのテンションメーターを買うことになります。
スポークのねじれ
テンションを上げていくと段々とニップルが固くなってきます。適当な締め方をするとアルミニップルは簡単になめます。何回かやってしまいました。
Parktoolのスポークレンチの精度・使いやすさは良好です。145kgf付近になると両手でガッチリ保持しながら回していました。そんなことをやっていてふと思いました。これだけ力をかけてニップルを回していてスポークは捻れないのだろうかと。スポークは丸型、見た目ではわかりません。
そこで検索。「スポーク 捻れ」。
うん。やっぱり捩れるそうです…。
では捻れないためにどうするのか。スポークを保持するために、なにやらワイヤープライヤーを改造したオリジナル工具を使うとかなんとか。安くはないのでおいそれと手は出せません。というかマニアック過ぎてどこで売っているのかすら分かりません。
今回は使わなかったのですがエアロスポークですとスポークホルダーが各メーカーから出ています。扁平部分を支えるだけのシンプルな構造で安い。エアロスポークのが初心者向きと書かれてるブログすらありました。むぅ…。
とりあえずスポークをリム側に押し出す負荷をかけたり、よくある馴染みだしでヨシとしましょう。パキンパキン鳴ってるからねじれは取れています。取れてるはず。
(次はPillarで組も…)
一応完成
そんなこんなで色々悩みながら組んでみました。できるだけフリー側はテンションを下げて下げて、反フリー側は上げてあげて。
最終的にはフリー側135kgf、反フリー側60kgfでだいたい落ち着きました。センターも許容範囲でしょう多分。上限120kgfということを考えると135kgfでも多少不安が残りますが、とりあえずこれで様子見です。【追記】後に120kgfまで落としました。
スポークの長さもニップルを見る限り完璧ではないものの問題ないでしょう。
これで一応の完成となります。
次は重量など各パーツの細かいところでも書いていこうかと思います。