ド素人が手組みホイールに挑戦 その5
前回の記事でとりあえずホイールは完成しました。今回はそれぞれパーツの重量や、かかったお金など細かいところまとめてみました。
AL22W
まずはリム重量です。フロント用は24Hで431gでした。リムAL22Wの公式重量は445gなので14gと少し離れてます。
リア用は32Hで445gでした。公式重量ピッタリ。穴の分24Hより軽そうなものですが何故か重いです。どうもこのリムは結構重量にばらつきがあるようです。
重量はさておき、全体的にこのリムとても綺麗です。下の動画はアルミリムの製造の様子ですが、ちょん切ったパイプをくっつけて成形しています。
Aluminum Bicycle Wheels | How It's Made
その接合部分も綺麗に処理されており、触ってもほとんど凹凸がわからないぐらいです。
AL22Wは昨今流行りのワイドリムです。内幅19mm、ぱっと見かなりごつい印象を受けます。EscapeR3標準ホイールのリム内幅はそこそこ広く17mmありますが、2mmの差は写真で見るより大きく感じます。
チューブレス対応ということで形状はそれっぽい感じです。ただし「ハンプ」と呼ばれるタイヤのビードを引っ掛ける突起、それが見当たりません。
低圧時に内側にビードが落ちやすくなるそうですし、多少不安が残ります。
少し重いですし、ハンプが無いのが気がかりですが、昨今の流行り要素を取り入れた全体的にそつのないリムといった印象です。安いので手軽にオフセットリムが手に入るのがなによりでしょうか。
FH-R7000
105グレードのリアハブです。穴数は32(これより下の穴設定無し)。 カップアンドコーンのこれといって特徴のない普通のハブです。368gあるので結構ずっしりしています。フロントが激軽だったのでなおさら重く感じます。頑丈そうともいえますが。
ラチェット音もいい意味で普通です。数えたところ一回転のノッチ数はおそらく16。ノッチ数とはフリーのかかりの数のことですが、ロード用のハブは少なめなことが多いです。それでも16は少ないほうだとは思います。今回は用途が用途なので静かな方がむしろありがたいのです。
MTB用のハブは逆にノッチ数が多くなる傾向があり、100を超えることもあります。メリットはかかりがよくなること、デメリットは抵抗が増えること。メリット・デメリットどちらにもなり得るのが爆音になることです。「ジィィィー」というホイール空転時の音、クリスキングやインダストリーナインを始めとする多ノッチ系ハブ独特の音です。
Brandon Semenuk Builds an MTB Playground in Utah | Raw 100, Version 5
RS-21を買ったときもそうなのですが、シマノハブの回転は多少渋めで、ゴリとはいかなくてもちょいコリのようです。必ずしもスルスル回るのが良いわけではありませんが、グリスの追加と玉押しの調整は必要そうです。
A291SB-SL
ノバテックの軽量フロントハブです。封筒で届きましたが、本当にハブが入ってるのかと心配になったぐらい軽いです。重量は58.5g。105フロントハブの155gどころか、デュラエースの120gの約半分です。
こちらはカップアンドコーンではなくシールドベアリングなので、調整不要で回転も超スムーズです。ベアリングも単品販売してるようです。
完成重量
スポークについては割愛しましたが、フロント24本で152g、リア32本で209gでした。
50gと結構な差が出るようです。空気抵抗も考えると少スポーク化の流れも理解できます。
組み上がったホイールの重量はフロント約650g、リアは1029gでした(リムテープ抜き)。前後で1679g、正直特別軽くはありません。というか重い部類です。
ゾンダC17の重量が前後で1596g、それより83g重いことになります。
ただノバテックのリアハブにF482SB-SLというフロントハブと同シリーズのものがあります。こちらの重量が228gなので、仮に今回このハブを使っていたら1539gなのでゾンダより軽くなります。逆に400gを超えるGokisoハブを使えば重くもなります。そんなわけであまり重量は気にしないでいいと思います。それぞれリム重量を気にしたほうが良いでしょう。
もともと今回のホイールはそこまで軽量化は考えていなかったので、特に問題はありません。それでもEscape R3に付いていたリアホイールが約1280g(リムテープ込み)だったので、スポーク本数を考えてもだいぶ軽くなりました。
見た目
取り敢えずビフォー写真です。
汚い。前の日に雨の中走ったせいです。向きが悪く影になってしまいました。
新ホイールに交換しました。
なかなか地味です。でも新品ピカピカなのと自分で組み上げたことで満足度は高めです。28Hから32Hにスポークが増えましたが、意外と見た目に差はありません。
個人的にはクロスバイクには少スポークホイールより、28Hや32Hぐらいのが似合うと思っています。あと太タイヤ。以前RS21を履かせていた時、フロントの16Hのせいか妙に貧相に見えました。ロードだとカッコいいんですが。
フロントは前と同じ24Hラジアルのままなのであまり変わりません。すでに汚れまみれで新品の面影はありません。
ちなみにリム幅が2mm増えたことでタイヤ形状に影響が出るかと思いましたが、特に差はありませんでした。25cのRubino Pro、グラフェン配合前の旧モデルです。
パーツ代総額
そんなこんなで組み上げたホイールですが、いくらかかったのでしょう。
リム2本 | 9300円 |
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リアハブ | 5700円 |
フロントハブ | 3400円 |
スポーク | 5700円 |
ニップル(100個) | 1200円 |
合計 | 25300円 |
合わせて約25300円でした。数が多めだったせいか、こう見るとスポークが意外と高いです。同価格帯の完組ホイールだとWH-RS300でしょうか。前後重量1800gなので今回のホイール1679gのが軽いです。ただしあくまで重量だけの話です。RS300はストレートスポークもオフセットリムも使われています。同じことを手組でしようとすると高くなります。
ツールの価格も見てみましょう。
振れ取り台 | 14000円 |
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センターゲージ | 3500円 |
テンションメーター | 3900円 |
スポークレンチ | 1000円 |
合計 | 22400円 |
全部で約22400円。比較的安く買い揃えましたがそれでもホイールと近い金額になりました。
ツールとホイール合わせて約47700円、ここにリムテープや持っていなければ工具なども加わります。
もちろんパーツのグレードを落としたり、スポーク本数を減らすことでもっと安くすることはできます。ただし道具は振れ取り台がもう少し落とせるかなというぐらいで、この辺が下限だと思います。
意外とお金がかかってしまいました。海外通販でゾンダが4万しない程度で買えるのを考えると、コスパでやることではないかなと思います。自己満足です。
あとは実際しばらく走ってみて、また感想とまとめも書いてみようかと思います。
ちなみにフロントホイールは先に取り付けて走っていましたが、1ヶ月ほど走っても変える前と違いがわかりませんでした。ノーメンテで虫食いで半分腐ってるようなハブな上、重量級リムだったのですが。私の中でフロントホイール何でもいい説が生まれそうです。